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2006年5月12日 (金)

ザンジバル

10年前、私は今日、ザンジバルという島にいた。

タンザニア国内なのに渡るのにビザがいる、不思議な感覚だった。

香辛料の産地、かつてはここで奴隷の売買がされていた、歴史的にもいわくありの島。

暑い太陽、低くたくましく流れる雲、屈託無く、生きることに正直にしたたかな人々。

寝不足と、気温の変化に対応しきれずにあっというまに風邪をひき、体調を崩した当時の私。
英語をしゃべって怒られたっけ。
「ここはタンザニアなんだからスワヒリ語をしゃべるべきだ!」って、英語で。

何もかもがはじめての経験。
買い物一つも緊張。
食事も緊張。
街歩くのだって、「ニイハオ」とか声かけられて、すっごくぴりぴりしながら歩いた。

タンザニアでは、雲が、
雲が生き生きしていた。

はるかに高い空の、
大地との中間あたりで、
雲が、
いつも雲が浪々と流れていた。

たった一日で、ステップを埋め尽くした花。
大地にどっしりと根を張り、青々と葉を広げるバオバブ。
ステップに点在するテーブルツリー、アカシア。
そして、私にとどめをさしたマラリア原虫。

「かなわない」
と思った。

この旅は、本当に、自分の弱さを露呈させられた旅だった。
タンザニアに、「強くなって出直して来い」と、言われた気がしたもんだ。

強くなろうと思った。

強くなれたんだろうか。

今日、淡い朧月を見た。

ここは東京、そして2006年。
10年間、いろんな「旅」をしてきた。

約20年来の旧友と酒を酌み交わして帰ってきた今、
なんか、ふと思った。

そろそろ行かなきゃ。

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